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はじめに
気になっていたけど、積ん読していました。
しかし、読み始めると面白く、結果的には「これは読んでよかった」と言える本になりました。
エロす
官能小説など読んだことはないです。
ですが、これはそういう類のものかと思うほど、そんな描写が詳細でかつ多かったと思います。
そういうのを読みたいと思っていないのに読まざるをえないのは、少し苦行でした。
エロが嫌いではないですが、求めていないときはそう感じるのだと思いました。
ストーリーの都合で必要だったんだなとは、後でわかりました。
全体的なこと
ストーリーとしては、だんだんとスケールが広がっていて、どう収束するのか期待が持てました。
あと、著者の平和に対する思想がはっきりと感じられました。
私は、あまりにはっきりした思想の表現は、なんか争いを生みそうでちょっと敬遠します。
ですが、そんな思想を含めながらも壮大なスケールの話をまとめた著者はすごいと思いました。
世界のとらえ方
これは前から感じていたことを、ズバリこの小説が表現してくれたと思いました。
登場する教祖の1人の松尾の話で出てきました。
仏教は特に好きになれない
(冒頭の「無我」についての文)
世の中のものは、無数の原子でできている。
その原子は、太古の昔からずっと先の未来まで結合と分解を繰り返しながら再利用される。
それは、ヒトも同じ。
そう考えると、ヒトとヒトの境界もヒトとモノの境界もないように感じます。
そして、世の中のヒトとヒトの様々な問題や国と国の問題もどうでもいい気がします。
ヒトも国もそれぞれ構成していた原子は、元々は何か他のモノとして存在していたかもかしれないし、これから先に何か別のモノとして結合されるかもしれないのです。
じゃあ、どう生きるか
以下、すごい雑な説明ですみません。
この小説に登場する教祖に、松尾と沢渡がいます。
どちらも前述のような「無我」の思想を持っています。
ただ、それぞれに別の生き方についての理念を持っています。
沢渡は、神はいるのか確かめたかったようです。
そのために自分の欲、主に性欲を満たすことや、悪の道に進んでみることにしました。
松尾は、せっかく与えられた人生をできるだけ楽しむことにしようとしました。
どのように生きても、死んだら原子に分解されて再利用されることになります。
悪いことをしようが、楽しんで生きようが、たどり着く結果は変わりません。
だとしたら、人生楽しみたいです。
さらに、自分だけでなく他人にも人生を楽しんでもらいたいです。
なんかそんなことにつながりそうなことを前から考えていました。
嫌なことよりも好きなことに目を向けて、自分の人生、ひいては他人の人生も楽しいものにしたいです。
まとめ
娯楽としても面白い小説でした。
それよりも私にとっては、モヤモヤしていた私の生き方についての考えを明らかにしてくれたことが大きいです。
これで、私の生き方は明確になりました。