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目次
はじめに
タイトルの通り、生物のセントラルドグマといわれる仕組み、つめりDNAからタンパク質を発現する仕組みについて主に解説されています。
著者のわかりやすく、楽しくそれを紹介しようとする気持ちが文章全体にあらわれています。
だから、けっこう専門的なことが書かれていても、最後まで疲れずに読み切ることができました。
まあ入門者の私は、すべて完全に理解しきれませんでした。
表現が面白い
カップラーメンとDNA
(第一章 転写 より)
DNAが縮まっている状態をカップラーメンの麺みたいだと表現されていました。
これは忘れないぞと思いました。
メッセージを伝える使者
(第一章 転写 より)
メッセンジャーRNAの説明のところで、関ヶ原の戦いの村越茂助の話を出されてました。
私がもっと歴史に詳しければもっと印象に残ったことでしょう。
でも、十分に記憶に残りました。
RNAポリメラーゼ
(第一章 転写 より)
これまでRNAポリメラーゼは何度か他の書籍で解説を読んできましたが、この書籍でかなり理解が進んだように思います。
それもわかりやすい表現のおかげです。
RNAポリメラーゼは、いくつかの注文を受けてきちんと動作するようになるとか。
主なものとして下記があります。
- 頭に帽子をかぶせられる
- いらない断片を削除する
- お尻に尻尾をつけられる
RNAポリメラーゼだけでも様々な処理がされているのですね。
さらに、これはRNAポリメラーゼⅡの話でⅠやⅢもあるとのこと。
逆転写酵素
(コラム1 逆転写酵素 より)
これまで入門で学んできた中では、遺伝情報はDNAからRNAへコピーされるものという認識でした。
そうではなく、RNAからDNAを作ることがあるのですね。
どこにそんな仕組みを使うものがあるかといえば、ウイルスだとか。
なるほど、ウイルスは他の生物の細胞に自分の遺伝情報を組み込んで増えていくから、その仕組みが必要なのですね。
RNA編集
(第二章 編集 より)
DNAから転写されたメッセンジャーRNAは、さらに編集を受けることがあるのだそうです。
それをRNA編集といって、塩基を追加したり置き換えたりされているそうな。
ヒトではRNA編集があって正常なことがあり、RNA編集がうまくいかなくて病気になることもあるとのこと。
とにかく、ヒトは単純にDNAの通りに作られているだけではないのですね。
RNAキャッシュ
(第二章 編集 より)
遺伝情報はDNAに保存されているだけではなく、RNAにも保存されていることがあるらしいのです。
最新の研究でそれが本当か決着がついたかはわかりませんが、どんどんと新しい仕組みが見つかっているようですね。
まとめ
RNAがキーになっているらしい
生物の設計図といえばDNAがメインだと思っていましたが、RNAのほうがよく働いているように感じました。
もともとRNAが先に存在していた説もあるみたいですね。
いずれにしても、生物は奥深いと思います。
何十億年もの時間をかけて進化してきたようですので、そんな簡単ではないのでしょう。